英語史
英語の歴史を辿ると、英語は現在のイギリスの本島にあたるグレート・ブリテン島に様々な民族が移住し、ゲルマン語やラテン語など取り入れてできた言語であることが分かります。詳細についてはこれから説明しますが、大きく変化した時期を境に時代区分を分けると、下記のように4つの時期に分かれています。

上記の1から4に沿って、現代の英語がどのように成立していったのか?これから説明していきます。イギリスの歴史の勉強にもなるので、一緒に学習していきましょう~。
英語の起源は?
英語を、wikipediaで調べてみると、以下のような内容が書かれています。
何やら、難しい言葉が書かれておりますが、おおもとを辿ると、インド・ヨーロッパ語族に起源をもつようです。
はて?インド・ヨーロッパ語族とは何でしょう?これについて調べると、
18世紀に、インド駐在のイギリス人、William Jones(1746~1794)という人が、サンスクリット語(古代インドで用いられた共通語)に触れたときに、サンスクリット語がヨーロッパの諸言語と酷似していることに気づき、ヨーロッパの言語もサンスクリット語も共通の祖先にさかのぼるに違いないと考え、「インドの言葉とヨーロッパの言葉は同じ仲間」という仮定を提唱したことに端を発しているようです。以降、色んな学者が古い言語を比較対照しながら言語間の系統関係を探る比較言語学の研究を行ったところ、やはりこの仮定が正しいことが証明され、それらの起源となる言語をインド・ヨーロッパ祖語(印欧祖語)と名付けました。一説によると、紀元前4000年頃、現在のウクライナの辺りにこの「インド・ヨーロッパ祖語」を話す集団がいたとされておりますが、かなり昔のことで、実際に使われていたかどうかは分からず、あくまで理論的に想定された言語との意見もあります。
その語、比較言語学の研究はさらに進み、印欧祖語を起源として、今日の言語を系統図的に整理したものが、以下の図になります。

この図を見ると、例えば、イタリア語、フランス語、スペイン語などは、ラテン語の子孫であることが分かります。
一方で、英語はゲルマン語を祖先に持つことが分かります。ドイツ人をGermanと呼びますが、ドイツ語もゲルマン語を祖先に持っているようです。だから、ドイツ人がゲルマン人の代表格のように言われるのですね~(Germanをドイツ語風に発音すると、ゲルマンと言うんだとか)。上図を眺めると、なんとなく地域が近い国同士が同じ言葉の流派であることは、それだけ人の交流が盛んに行われていただろうから納得がいきますね。
ここで疑問。なぜ英語はゲルマン語を祖先に持つのでしょうか?Google mapで調べると、イギリスはどちらかと言うと、アイルランドやフランスが近いようで、それらの国の祖先はケルト語だったり、ラテン語で、ゲルマン語圏とは一線を画しているような気もします。

ケルト語の時代
時代を遡ると、紀元前1000年頃、ヨーロッパ大陸から現在のブリトン島(イングランド)に、ケルト系民族が渡来してきました。彼らの言葉はケルト語です。イングランドは以下の国のように、スコットランド、北アイルランド、イングランド、ウェールズの4つの国から構成されていて、確かに、スコットランド、アイルランド語、ウェールズ語もケルト語派に属しています。アイルランド出身の歌手のエンヤはケルト音楽をベースにしていて、サッカー日本代表の前田選手や古橋選手が所属するアイルランドのサッカーチーム「セルティック(Celtic)」も”ケルトの”の意味があるんだとか。

さて、西暦1世紀になると、ケルト系人が住んでいたブリトン島に、当時強大な軍事力を誇っていたローマ帝国が征服を開始します。ブリテン島の地名にはマンチェスター(Manchester)とか、ランカスター(Lancaster)のように、
-chesterで終わるものが数多くありますが、これは「砦」を意味するラテン語castraに由来するそうです。ところが、ローマ人は圧政を虐げることなく、その土地の宗教だったり、習慣、言語を尊重し、ローマ人のラテン語をブリトン人に強制することはしなかったので、依然としてケルト語をブリトン人は使っていました。その後、ローマ帝国も次第に力を失い、西暦407年、ローマ軍はついにブリテン島から撤退します。


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