知覚動詞や使役動詞の後に動詞の原形を使うのに、受動態になるとtoが付くのはなぜ?

この疑問の答えは、受動態になると、事柄の順番が表現され、同時性・一体性の重要性が弱まり、toで指向性を表現できる為ということになるのですが、知覚動詞・使役動詞を使った例文を見ながら説明していきます。

知覚動詞を使った例文(I saw him enter the hotel.)

・I saw him enter the hotel.(私は彼がホテルに入っていくところを見た)

上記の文章を
①toを入れずに受動態とした場合
 He was seen enter the hotel. 彼は見られた➡入る➡ホテルに
②toを入れて受動態とした場合
 He was seen to enter the hotel.彼は見られた➡入るところを➡ホテルに
動詞が直接並んでいる①よりも、②の方が意味を区切って読み取りやすくなるのがお分かりでしょうか?
*「見られた」(→何を?)「ホテルに入るところを」

使役動詞を使った例文(I made him clean the room.)

・I made him clean the room.(私は彼に部屋を掃除させた)

上記の文章を
①toを入れずに受動態とした場合
 He was made clean the room.彼はさせられた➡掃除する➡部屋を。
②toを入れて受動態とした場合
 He was made to clean the room.彼はさせられた➡掃除することを➡部屋を。
これも知覚動詞と同様、②の方が動詞が直接並んでいる①よりも、意味を区切って読み取りやすくなっていますし、
*「させられた」(→何を?)「部屋を掃除することを」というtoの本来の意味である方向性の意味を活用して、どんなことを指向させられたのか?という読み手に読みやすい手法として、toが挿入されていることが理解できます。

知覚動詞・使役動詞が受動態になると、同時性・一体性というよりも、その成り行き(順序)が前景化され、さらにtoが持つ指向性により、読み手に分かりやすい文体になるのですね~。

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