「have」+「過去分詞」=「保有」+「完了状態」
「私は昼食を済ませました」この日本語を英語に直すと、”I have finished a lunch”となります。
どうして、”I finished a lunch”とならないのでしょうか?
どちらも、「~した」という意味になりますので、現在完了形は過去形と混同しやすく、区別がしにくいかもしれません。しかし、両者には明確な違いがあります。なぜ、「have+過去分詞」という形を使うのか?この疑問を解くには、まずhaveの正体を見なければなりません。
haveの本来の意味を考えると、どのようなイメージを想像しますでしょうか?おそらく「手に持つ」というイメージが先行されると思います。これが歴史の変遷とともに、「~の状態にある」という形に転化されていきます。
I have a letter written.(書き終えた状態の手紙を持っている)
↓
I have written a letter.(手紙を書き終えました)
古い英語では、現在完了形を表現するのに、「have+目的語+過去分詞」という表現方法でした。
また、目的語と過去分詞は、古い英語においては厳密に連携しており、
①性(男性・女性など)
②数
③格(て・に・を・は)
によって過去分詞は変形して使われていました。
例)ic habbe pone fisc gefangenne(=I have the fish caught)
→ -neは男性・対数・対格(~を)を表す変形語尾
※ちなみにドイツ語では今日もこの語順で表現されます。
Ich habbe mir ein Fehrrad gekaut.(自転車を1台買いました(今持っている))
<have><目的語> <過去分詞>
しかしながら歴史の変遷とともに、
①変形する過去分詞が消失することが多くなった。
②haveが所有の意味を表す例も少数に。
③目的語は動詞の後にくるという意識から目的語と過去分詞の位置が入れ替わる。
上記の条件が重なり、次のような現在完了の形が生まれました。
I have written a letter.(もとの形:I have a letter written)
これは過去に書き終えた手紙が、まさに今その状態で存在しているという「過去と現在のとのつながり」を表す現在完形の特徴と言えますね。
過去分詞をhaveの直後に置く語順が現在完了形の文法形式となりましたが、なぜ過去分詞を使うのか?なぜ現在分詞では駄目なのか?もう少し検証してみる必要がありそうです。
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