have toの成り立ちの歴史
学校では”have to”を「しなければならない」と覚えさせられましたが、どうして”have to”はそのような意味になるのでしょうか?普通、haveのあとはI have a pen.のように目的語がくるはずなのに、なぜ目的語が無いのでしょうか?
それでは、have to の成り立ちの歴史を見てみましょう。
次の文章は、昔、実際に使われた英文を現代の英語表現に変換したものです。
・I have something to say to you.
(私は何かを持っている、あなたに言わなければならないことを)
これは今でいうI have to say something to you.と意味がほとんど同じですね。
前述のhaveの目的語はsomethingであり、haveに「~持っている」という本来の意味が含意されていることが分かります。さらには、somethingがsayの目的語にもなっていますね。
ここで、後述のhaveとto不定詞を結びつける形式に変わった意味をそのメリットから考えてみましょう。
have to say=言うことを持っている
haveのあとに不定詞が来ることで、動詞の内容に注目させ「~を言わなければならない」と聞き手に動詞の内容が目の前に迫ってくる印象を持たせることができ、「~しなければならない」というイメージが先行します。
I have something~➡聞き手「何があるんだろう?」
I have to say~➡聞き手「何を言うんだろう?」
上記の聞き手の印象をもとにして、下記の例文を比べてみましょう。
I have a letter to write.
I have to write a letter.
後者の方が、書くことが先行イメージとして聞き手に伝わる為「書かなければならない」という意図が伝わりますね。
このようにhaveとto不定詞が結びつくことで、話者の表現の力点を変える恩恵を享受することができ、have toで「~しなければならない」という表現手法を英語の歴史上、確立してきたのです。
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